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皆さん、はじめまして。私の前職は京都二赤十字病院副院長・小児科部長でしたが、令和4年3月末で定年退職となり、令和4年4月1日付で京都市子ども保健医療相談・事故防止センターのセンター長に就任しました。これまでに能勢 修先生、澤田 淳先生、大矢紀昭先生がセンター長をつとめてこられたので、私で4代目になります。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、京都市子ども保健医療相談・事故防止センターは平成16(2004)年8月に京都御所の西、京都第二赤十字病院の南隣りに開設され、「京(みやこ)あんしんこども館」の愛称で、子どもの保健医療相談事業と事故予防の啓発活動を行っています。
当センターの活動内容について紹介します。まず、施設名の通り、保健医療相談をやっています。小児科医、看護師、保健師が常駐して、開館時間内の電話相談に常時対応しています。特に、医療に関する相談内容(救急受診の必要性や家庭での応急手当など)に小児科医が直接回答するのは、#8000をはじめとする他の電話相談にはない特徴です。保護者の方の医療相談に対して様々なアプリも存在しますが、アプリの質問文だけでは十分な情報を把握するには限界があり、正確な回答を提供するためにこちらから再質問を繰り返すのは手数がかかり過ぎるという問題があります。さらに、小児科医と直接話ができることで、保護者の安心・納得感は大きく、電話相談の意義は大きいと思われます。また、相談の結果、検査・治療を要する場合は専門医療機関へ紹介します。小児科だけにとどまらず、小児整形外科相談、発達・こころ・行動の相談も予約制で面接相談を実施しています。なお、当センターにおける上記相談や紹介状作成、後述の各種イベント参加などに関して来館者の費用負担は一切発生しません。繰り返しになりますが、子育てや子どもの病気に関する不安や心配など何でも構いませんので、一人で悩まずに当センターに気軽に相談してみてください。
事故防止活動としては、センター内に家庭内の危険個所を実際の家具を用いて再現した「子どもセーフティハウス」を設置し、担当スタッフが来館者に同道し、子どもの事故防止に関する啓発を行うという見学コースを用意しています。事故防止の話は担当スタッフからマンツーマンでしっかり聞いてもらいたいこともあり、見学者がバッティングしないように「子どもセーフティハウス」の見学は事前予約制にしていますが、開館時間であれば随時実施しており、当日予約も可能です。「不慮の事故」は1960年以降常に1〜19歳の死亡原因の第1位であるという話から始まり、家庭内の様々な場面で事故を防ぐ具体的な方法を約1時間かけて学んでもらう解説プログラムを作成しており、見学者はどのスタッフが担当になっても同じ内容のことが学べるようにしています。なお、見学者の都合によっては時間短縮バージョンも提供可能です。
さらに、定期的な取り組みとして、乳幼児の心肺蘇生法講習会(5回/年)、子ども乗せ自転車の走行法とチャイルドシート装着法の講習会(2回/年)、乳幼児の健康教室(14回/年)、わが子を事故から守るプレママ・パパ教室などのイベントを京都第二赤十字病院小児科・看護師・助産師、京都小児科医会、京都市子ども若者はぐくみ局、中京警察、JAF、中京消防署、日赤京都府支部、京都うずら野ライオンズクラブ、京都府交通安全協会、梅屋交通安全対策協議会などの協力を得て開催しています。また、看護、幼児・こども教育などに関連する各種大学・短大・専門学校、子育て支援などの団体からの研修会開催の依頼についても受け入れており、それらのイベント開催時には来館者の「子どもセーフティハウス」の見学も併せて行っています。その他に、子育てサークル、児童館、保育園、幼稚園、ママ友グループなどから要請があった場合には、家庭内の事故予防についてセンタースタッフが出張講座を実施しています。
少子高齢化が急速に進むわが国において、当センターでは国家の宝というべき子ども達の健全育成を進めるため、医療、行政、保健・福祉、教育など様々な領域と連携して多彩な活動を展開していきたいと考えています。このような施設は全国でも珍しく、市民の皆さんには上手に利用していただけると幸いです。
センター長 長村 敏生
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1.来館者数
●令和2年度
個人来館者:629名 団体来館者:481名 合計1,110名
●令和3年度
個人来館者:895名 団体来館者:547名 合計1,442名
2.保健医療相談件数
●令和2年度
電話相談: 519件 予約相談:109件 フリー相談:8件 合計636件
●令和3年度
電話相談: 606件 予約相談:168件 フリー相談:69件 合計843件
3.講習会
●令和2年度 |
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2年7月28日 |
:第60回乳幼児の心肺蘇生法講習会 12名参加 |
2年9月25日 |
:第15回消防署員指導のお子さんの救急救命講習会 4名参加 |
2年10月27日 |
:第24回子ども乗せ自転車用と車のチャイルドシート講習会 25名参加
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2年11月17日 |
:第61回乳幼児の心肺蘇生法講習会 9名参加 |
●令和3年度 |
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3年7月27日 |
:第62回乳幼児の心肺蘇生法講習会 12名参加 |
3年10月26日 |
:第25回子ども乗せ自転車用と車のチャイルドシート講習会 6名参加 |
3年11月30日 |
:第63回乳幼児の心肺蘇生法講習会 10名参加 |
4年1月25日日 |
:第64回乳幼児の心肺蘇生法講習会 8名参加 |
4年3月4日 |
:第16回消防署員指導のお子さんの救急救命講習会 10名参加 |
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4.研修会
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令和2年度 |
令和3年度 |
合計 |
行政(視察含) |
2 |
2 |
4 |
大学・高校・看護学校 |
12 |
13 |
25 |
幼稚園・保育園関係 |
3 |
8 |
11 |
子育て支援関係 |
0 |
10 |
10 |
病院関係 |
0 |
0 |
0 |
企 業・その他 |
3 |
2 |
5 |
合計 |
20 |
35 |
55 |
●京あんしんこども館と京都第二赤十字病院は扉で繋がっていますので、病院からも入る事ができます。
●当館から病院を見る
廊下向かって左側が、産婦人科外来。
向かって右側が、小児科外来。 |
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●病院からの当館入口 |
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