京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅰ-35】泣き入りひきつけといわれましたが、病気なのでしょうか?

泣き入りひきつけといわれました。どういうものなのか教えてください。

泣き入りひきつけは憤怒けいれんともいい、生後6か月から6歳までの子どもの約5%にみられます。かんしゃくを起こして大泣きした直後や急にびっくりした時に突然息をこらえて顔面が蒼白になり、意識を失ってぐったりします。長時間泣き続けていると、息を吐いたままの状態が続き、一時的な酸素不足で呼吸が止まるために起こる生理的な現象です。全身の酸素不足のために顔面や口唇のチアノーゼが現れ、脳内の酸素不足のために意識を失います。意識を失った後、身体を反らしてつっぱったり、けいれん様の動きを伴うこともたまにありますが、泣きやむと同時に息(酸素)を吸い始めるため、通常は1~2分で回復します。

泣き入りひきつけの治療は特に不要で、時期が来れば自然におさまります。大泣きすると起こるので、親が神経質になってしまい、泣かさないように過保護に育てるのは子どもの成長にとってはかえってマイナスです。泣き入りひきつけは病気ではないので、子どもとは普通に接するように心がけてください。大泣きしたり、かんしゃくを起こした時にも抱き上げて気を紛らわせたり、背中をやさしくなでて子どもを安心させるという対応で十分です。

ただし、泣き入りひきつけが6か月以下でみられる、1日に何回も起こる、2分以上続く、意識を失う時間が長く続く時などはてんかん、モヤモヤ病、不整脈といった病気の可能性もあるため、脳波やMRI(磁気共鳴画像装置)、心電図などの検査を受けた方がよいでしょう。