【Ⅰ-36】寝ながら手足をピクピクさせます
3か月女児です。寝ている時に急に手足をピクピクさせることがありますが、心配ないでしょうか?
正常な赤ちゃんが睡眠中(ノンレム睡眠中とされています)に、両側の手足の筋肉をピクピクと小刻みに震わせることは生理的な反応としてよく知られています。専門的には「良性新生児睡眠時ミオクローヌス」といいます。
生後2週間頃から現れるようになり、多くは生後3~4か月頃まで、遅くても生後6か月以内に自然に治ります。原因としては睡眠と覚醒のリズムを調節している脳幹網様体機能の未熟性が推測されています。未熟性が原因なので、治療をしなくても成長とともに消失しますし、その後の子どもの発達にも影響はありません。
時には手足だけではなく顔や全身がピクピクしたり、逆に体の一部分だけ震えたりすることもあります。多くは数十秒から数分で消失しますが、この震えは睡眠中にのみ起きるため、長く続いた結果、自分の動きによって目が覚めて震えが止まることもあります。
この生理的なミオクローヌスはけいれん発作ではなく、脳波検査は正常で、震えが続いている間も顔色が変わったりすることは通常ありません。 心配な場合は小児科を受診してください。可能なら、震えの様子をビデオか携帯で撮影した動画を持参しての受診をお勧めします。
一方、寝付く時に突然、体がビクッとした経験は誰にでもあると思いますが、これは幼児から成人までどの年齢でもみられる生理的な現象で、「入眠時ミオクローヌス」といいます。覚醒から睡眠へ移行する時にのみ現れ、多くは単発性で他の症状は伴いません。