【Ⅰ-39】姉弟の「しつけ」、娘にだけ手が・・・
3歳と1歳の姉弟の母親です。姉のしつけでは言うことを聞かないとつい手が出て、時には顔まで叩いています。手を上げることが止まりません。これは虐待になるでしょうか。弟はかわいいのですが、娘が憎くなりそうで不安です。
児童虐待のことは新聞やテレビでよく目にします。児童虐待とは「保護者が加えた行為や不適切な養育の結果、子どもの体に傷害を与えたり、心を傷つけたり、健康を損なうこと」です。このお母さんは「自分は虐待しているのか」を心配していますが、「カッとしてパチン!」は「行き過ぎたしつけ」でしょう。暴力はいけません。「しつけとして叩いた」と新聞の記事にはよく記載されていますが、そもそも叩くようなしつけはありません。
しつけは教育です。弟がいて忙しいのに、お母さんに構ってほしいお姉ちゃんが無理を言うのでしょう。3~5歳くらいの子に「こんな事をしてはダメ!」と1回教えて理解できるはずがありません。繰り返し教えることが大事です。怒って叩きっぱなしでは子どもの心がゆがんでしまいますよ。
カッとしたら、3回深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、優しい顔でゆっくりとお姉ちゃんに「お母さんは2人ともかわいいの。言うことを聞いて一寸待っててね。お願い」と言って抱きしめて、そして、「ありがとう」とお礼を言ってください。このような会話と動作の繰り返しによって「しつけ」てください。
わが国で子ども虐待という現象が社会的な注目を集めるようになったのは1990年代初頭のことです。その後も子ども虐待は増加傾向が続いており、私たちが気付かないだけで身近に虐待が起こっています。死亡例も増えています。このような行為は決して許されてはいけません。お母さんは自分を見失ってはいけません。一人で考えこまないで、近所の人や保健所、児童相談所などに相談してください。