京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅳ-7】子どもの目が水平に振れています。大丈夫ですか?

5か月男児です。生まれた時から目が水平に振れるのですが、大丈夫ですか?

規則的に繰り返す眼球の振れを「眼振」といいます。乳幼児にみられる両側性の眼振の多くは「先天性眼振」によるものです。先天性眼振は生まれた直後もしくは生後数か月以内に、目が常に左右(水平)あるいは上下(垂直)に規則正しく動いている(水平性眼振が多い)ことで気付かれます。

先天性眼振は生後3か月頃から明らかになってくることが多く、典型的な例では両目が同時に水平に振れます。頻度は約3,000出産に1例の割合で、多くは原因不明です。家族内に複数の患者がみられる場合もあり、遺伝の関与も指摘されています。常に眼球が動いているにもかかわらず、視力は正常で、周囲が揺れて見えたり体の動きが悪くなったり(転びやすい、歩きにくい、ふらふらする)することもなく、普通の生活が可能です。また、知能や精神の発達にも問題はありません。

先天性眼振の眼振そのものは大人になっても続きますが、振れ幅は成長とともに小さくなり、わかりにくくはなっていきます。ただし、眼振の大きさが最も小さくなるような眼球の位置が最も見やすいため、無意識にその位置を保とうとした結果、斜視を合併したり、頭の位置が傾いた姿勢をとったりすることがあり、その場合は手術を含めた対策が必要になります。

一方、脳(てんかん、脳腫瘍、脳出血・梗塞)、内耳(三半規管)の病気で眼振を伴う場合もありますので、眼振に気付いた場合は念のため眼科か小児科の受診をお勧めします。