京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅳ-12】血便について教えてください

便に血が付いている場合を下血、便が血液そのものや粘液質である場合は粘血便といいます。非常に軽い病気から緊急処置を必要とする重い病気までありますので、慎重に子どもを観察し、素早い対応が必要です。まず、次の3つのポイントをチェックしてください。

  1. 全身状態:元気か、ぐったりしていないか、顔色はよいか、発熱はあるか。
  2. 他の消化器症状:腹痛、嘔吐の有無や便の性状・下痢の有無など
  3. 便に混じる血液の色:鮮紅色、暗赤色、黒色など。

痔による血便の多くは排便中の痛みを伴うことが多く、鮮紅色の血液を認めます。食物アレルギー、特に牛乳アレルギーでは血便となることがあります。腸重積症は生後4か月頃からみられ、反復する腹痛や嘔吐に加えてイチゴゼリー状の血便が出ることがあります。

サルモネラ菌やカンピロバクター、病原性大腸菌などによる感染性腸炎では粘血便になることがありますが、発熱や嘔吐を伴うとは限りません。

量にかかわらず下血を認めた場合、腸にポリープや憩室ができている可能性があります。ともに場所によって下血の性状が違います。肛門に近いと鮮紅色ですが、遠いと色は黒っぽくなります。この場合は腹痛や発熱は伴いにくいでしょう。学童期以降はクローン病や潰瘍性大腸炎といったまれな病気もあります。体重が減り、下痢や血便が改善しない場合は小児科を受診してください。