子どもの病気
【Ⅳ-13】腸重積症とはどんな病気ですか?
乳幼児の病気で最も注意しなければならないものの一つに「腸重積症」があると聞きました。どんな症状がみられますか?
腸重積症は腸の一部が後ろ(肛門に近い方)の腸の中に突然もぐり込み、腸閉塞を起こす病気です。腸の動きが未熟な乳幼児、とくに6か月~2歳で多く、2歳以下が約8割を占めます。頻度は子ども200~300人に1人の割合で発生するとされ、診断が遅れると腸に血液が流れなくなって壊死を起こすため、開腹手術や腸管切除が必要となることもあります。
主な症状は腹痛、嘔吐、血便ですが、最初からすべての症状がそろうことは少なく、診断が難しい病気の一つです。特に、乳幼児は自身で腹痛を訴えることができないため、不機嫌、何となく元気がない、いつもと様子が違うといった症状にも注意が必要です。腹痛や嘔吐が周期的かつ徐々に間隔が短くなりながら繰り返すのも重要な特徴です。
腸重積の時の血便は腸粘膜のうっ血によるもので、発症早期にはみられず、腸重積症を疑って浣腸した時に初めて確認される場合もあります。典型的な血便は便の上に新鮮な血液をまきちらしたような感じで、イチゴゼリー状といわれます。
発症して48時間以内に診断がつけば、多くの場合は高圧浣腸によりもぐり込んだ腸を押し戻して治すことができます。常にその可能性を疑う姿勢を忘れず、見逃さないようにしなければなりません。