子どもの病気
【Ⅳ-14】自家中毒症について教えてください
自家中毒症は主に2~8歳頃の子どもによくみられる病気です。急に元気がなくなり、顔色が蒼白となり、ぐったりします。やがて何回も嘔吐を繰り返すようになります。この病気は周期的嘔吐症あるいはアセトン血性嘔吐症ともいいますが、小児科医の間では昔からの慣習で「自家中毒症」という名前を使うこともあります。しかし、食べ物による中毒ではありません。
原因は今もはっきりわかってはいません。誘因として、①興奮、②過労、③緊張、④精神的ストレスなどが挙げられます。例えば、楽しみにしていた家族旅行の前夜に発病したり、かわいがっていたネコが急にいなくなったりした時などに起こすことがあります。
一般に熱は出ないのが普通ですが、風邪を引いたとき起こることもあります。一度起こすと再発しやすい病気ですが、何回か繰り返しているうちに起こしそうだということが家族にもわかる場合があります。このときは早めに吐気をおさえる座薬などを使うことで治まる場合もあります。しかし、何回も嘔吐がみられる時には点滴による輸液が必要です。
心因的な要素が多い病気ですので、日頃からスポーツで身体を鍛えることや、ストレスに負けない子どもに育てましょう。この病気は10歳を過ぎる頃から自然に起こらなくなるのが普通です。