京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅳ-17】1か月以上にわたって時々咳き込んでいます

8歳の男児です。元気にしているのですが、1か月以上にわたって時々咳込んでいます。このまま様子みても大丈夫でしょうか?

風邪をひいたら熱が出てのどが痛く咳も出ますが、普通は1週間以内に治るでしょう。しかし、1週間以上たっても熱が続き、乾性から湿性の咳(気管支や肺に痰がたまっているときに出る湿った咳)が出るようになると、肺炎に進行している可能性があります。その場合は受診の必要がありますが、この相談のお子さんの場合は急性の感染症状がなく、咳だけですので、様子を見るだけでいいでしょう。

咳が長く続く場合に、代表的なものの1つとして肺結核が挙げられますが、現在では生後6か月までの早期にBCG接種が実施されるようになり、家庭内感染の場合を除き小児結核は激減しています。

長引く咳の原因としてもう1つの代表は百日咳です。新生児・乳児期の百日咳は熱はなく、初めは夜にコンコンと空咳が1、2週間続きます。その後、息が出来ないほどひどい咳発作が続き、重症化すると咳発作の直後に呼吸が止まる(無呼吸発作)こともあります。現在では感染防止のために3種混合ワクチン(DPT)を乳児期に受けることにより減少しています。ただし、幼児期以降は症状も軽く、初めは夜にコンコン(前駆期)、次に日中もケンケンと軽い咳が続き、合計10週間位続きます。幼児期以後は重症化しませんが、新生児、乳児早期の子にうつすと大変なので治療が必要です。