京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅰ-9】赤ちゃんがよくお乳を吐きます

よく赤ちゃんがよくお乳を吐きます。どうすればよいのでしょうか?

赤ちゃんがお乳を吐く場合、吐き方には溢乳と嘔吐 (吐乳)の2種類の吐き方があります。
溢乳はお乳を飲んだあとダラダラと口からこぼれることをいいます。機嫌がよければ心配ありません。吐く回数が多少多くても、体重が順調に増えていれば病気ではありません。

これに対し、嘔吐は飲んだお乳を噴水のように吐き出します。嘔吐を症状とする赤ちゃんの代表的な病気としては、以下の2つが挙げられます。ただし、時々嘔吐しても、その後ケロッとして機嫌もよければ心配ないことが多いでしょう。

<乳児肥厚性幽門狭窄症>
胃の出口(幽門部)が狭くなり、お乳が通らなくなる病気です。
生後2週間~3か月頃から嘔吐が始まります。特徴は

  1. お乳を飲んだ後にほとんど毎回、噴水状の嘔吐を繰り返す。
  2. 吐いた後はすぐにお乳を欲しがるが、またすぐに吐く。
  3. 体重が減少する。

この場合、嘔吐が始まったときの体重を覚えておいてください。
体重が減少するようなら、治療が必要です。

<腸重積症>
腸内に腸がはまり込む状態(肛門に近い方の腸が前方の腸に入り込む)で、一刻を争う病気の1つです。
育児書には周期的に泣く、嘔吐・腹痛、血便などを症状とすると書いてありますが、すべての症状がそろうことはむしろ少なく、一つ一つの症状にとらわれずにお子さんの全身状態を見てください。様子や顔つきがいつもと違う、嘔吐の後も苦しそう、なんとなく機嫌が悪い、苺ジャムのような便が出るなどと思ったら、小児科医が常駐している病院に急いでください。