子育て支援
【Ⅰ-26】いつもの元気がないのが気になります
赤ちゃんがグッタリしていつもの元気がない時、どんな原因がありまか?
乳児は自分の症状を言葉で説明することができない上、がまんすることもないので、体調の悪さが「グッタリしていつもの元気がない」という形で正直に表われます。特に、生後5~6か月までは「何となく、いつもと様子が違う」という保護者の気づきが、病気を発見する最初のきっかけになることがあります。
私たち小児科医は乳児の不機嫌をみる場合、頭から足の先まで全身のあらゆる部分の病気の可能性を考えます。頭部では化膿性髄膜炎や頭蓋内出血、耳では中耳炎、頚部では頚部リンパ節炎やムンプス(おたふくかぜ)、川崎病、循環器疾患では発作性頻脈や心筋炎、先天性心疾患、腹部では腸重積症や糖尿病、便秘、下腹部から外陰部ではそけいヘルニアや化膿性股関節炎、尿路感染症、精巣捻転症、上肢では肘内障、下肢では骨折、発熱を伴う場合は潜在性菌血症などです。これらの中には一刻も早く治療を開始する必要がある病気も多いので、気になる時は早めに小児科を受診してください。
もちろん、乳児の不機嫌はただの「ぐずり」であったり、「夜泣き」であったりすることもあります。でも、大きな病気が隠れていることも少なくありません。普段からお子さんのことをよく見て、「いつもの元気がない」状態を見逃さないようにしてください。