京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅱ-5】突然吐き始めて止まりません

子どもが突然に吐き始めて止まらず、機嫌が悪くて泣きやみません。でも、熱はないのですが、どうしたらいいですか?

吐き続けると脱水が進みます。最近では、嘔吐が始まったら速やかに経口補水療法を開始することが推奨されています。経口補水療法(ORT)とは点滴の代わりに経口補水液( ORS : OS1、アクアライト、ソリタ顆粒など)を口から飲ませて水分補給する治療法です。ORSには塩分と糖分が適切に含まれていて嘔吐によって失われた水分と塩分が速やかに吸収されるようになっています。

具体的には5㎖のORSを5分ごとに飲ませます。ティースプーン1杯、ペットボトルのキャップ3/4程度の量が5㎖の目安になります。スポイトを用いて飲ませてもよいでしょう。嘔吐が治まってくれば飲ませる間隔を徐々に短くしていきます。ORSを嘔吐した場合でも経口補水療法(ORT)は続けて大丈夫です。

年齢にかかわらず、嘔吐時は次の6つのポイントを観察して下さい。①吐物内容は未消化の食物、緑色の胆汁様、鮮紅色の血液、茶褐色~黒色をしていませんか、②吐く間隔が徐々に短くなっていませんか、③腹痛は吐くことで軽くなりますか、それとも強くなりますか?ただし、乳児の腹痛は不機嫌、泣くことなどを観察して判断します、④ぐったりしていませんか、⑤発熱はありますか、⑥少なくとも当日とその2~3日前に排便はありましたか。

乳幼児期には「腸重積症」という病気があります。腸が腸の中にはまり込み、痛みにより泣き続け不機嫌となり、消化した食物が腸を通過しないので吐き続けます。この状態が長時間となり、血流が止まってしまうと腸が壊死することもあります。特に、①、②、④では必ず医療機関を受診してください。