事故防止
【Ⅲ-16】熱中症の予防方法を教えてください
熱中症はどんなときにかかりますか。また、予防するにはどうすればいいのでしょう?
熱中症は高温の環境の中で、身体の適応障害が起こる状態をいいます。重症度はⅠ~Ⅲ度に分類され、Ⅰ度は現場での対応で回復しますが、最重症のⅢ度(熱射病)では死亡することもあります。部屋の中でも高い温度の時は熱中症にかかります。例年梅雨明けより増加しますが、最近は秋口になっても気温の高い日が多く、油断はできません。
症状として、脱水症による症状(のどの渇き・頭痛・立ちくらみ・疲労感・筋肉のけいれん)、体温の上昇(39度以上は危険)、意識障害などが現れます。
予防するためには、次のことに注意してください。
- 熱中症はだれでもかかります。特に、幼い子どもとお年寄りは注意してください。
- 室内の運動でも、高温多湿の環境は要注意です。
- 炎天下の日中はなるべく無駄な外出は控えてください。
- 外出時は帽子をかぶり、薄着にします。15~30分毎に水分補給を心がけましょう。
- 大汗をかいた時は、経口補水液(ORS:OS-1、アクアライトなど)かひとつまみの食塩を入れた麦茶がおすすめです。一方ウーロン茶や緑茶飲料水は塩分が少なく、糖分も含まれていないため、お勧めできません。さらにスポーツドリンクは塩分が少なく糖分が多いため、逆効果になることもあります。
- 猛暑日(最高気温35度以上)、真夏日(同30度以上)には、激しい運動やスポーツを控える。湿度の影響を考慮した暑さ指数(WBGT)が熱中症を予防する指数として有用です。暑さ指数が28℃を超えると熱中症にかかる人が急増します。
- 熱中症では脱水のため体重が減少するので、子どもの普段の体重を知っておくことが重要です。
- 重症化すれば致命的な疾患であることを認識しておいてください。
- 夏前には暑熱順化といって体を暑さに慣れさせることも熱中症の予防につながります。具体的には1日1度は暑熱環境に身を置き、その後にクーラーの効いた部屋や冷たいシャワーを浴びて十分体温を下げることを1~2週間以上続けると効果的とされています。
- 最近では熱中症を台風や地震と同様に熱波による災害ととらえて高齢者を中心に十分な対策を講じる必要性が指摘されています。しかし、小児の熱中症は正しい知識をもって対応すれば予防が可能であることを忘れないでください。