子どもの病気
【Ⅳ-1】熱性けいれんについて教えてください
子どもが発熱した時には熱性けいれんに注意するように聞きました。熱性けいれんはなぜ、どんな時に起こるのですか?
成長途上の子どもの脳は未熟であるため、いろいろな刺激に対してけいれん(ひきつけ)を起こしやすく、10人に1人はけいれんを経験するとされています。中でも最も多いのが熱性けいれんで、けいれん全体の70%~80%を占めます。
熱性けいれんは脳の病気ではなく、発熱(通常38度以上)が原因で起こります。よく発症する年齢は6か月から6歳で、発症のピークは1歳代です。けいれんの様子は全身が硬くなったり、ガクガクしたり、手足が脱力したりとさまざまですが、共通するのは意識がない(反応がない、返事をしない)ことです。通常、数十秒~数分以内に自然におさまり、後遺症を残すことはほとんどありません。
大多数の熱性けいれんは発熱後数時間以内に起こりますが、先にけいれんが起こってから1~2時間以内に発熱する場合もまれにあります。また、熱性けいれんを経験した子どもの約3割は再発します。逆にいうと、残りの7割の子どもは生涯で1回しか熱性けいれんを起こさないことになります。
再発する場合は、その90%が2年以内に起こります。従って、初回の熱性けいれんから2年間起こっていなければ、その後に再発する可能性はかなり低いといえます。