京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅳ-3】失神しました

失神発作を起こして倒れました。失神はけいれんやてんかんと違うのですか?原因と対処法を教えてください。

失神は突然に短時間の一時的な意識消失を起こし、体の姿勢が維持できず、時に転倒するような状態をいいます。筋緊張の低下も伴いますが、通常は特別な蘇生をしなくても自然に回復します。子どもの20~40%は成人になるまでに一度は失神を経験するともいわれ、特に思春期に多くみられます。

子どもの失神の約70~80%は神経調節性失神といって、自律神経の一時的な活動亢進状態によるもので、心配ない場合がほとんどです。しかし、中には心臓疾患や不整脈、てんかん発作、貧血、低血糖、心因性ストレスなどが原因になる場合もあります。特に、運動中の失神は突然死の可能性があり、心臓の精密検査が必要です。

失神して倒れている時は、呼吸をしているか、脈が触れるかどうかの観察が重要で、呼吸も脈も確認できる場合にはあわてる必要はありません。あおむけに寝かせて、衣服をゆるめ、両足は20㎝ぐらい上げて、意識が戻るのを静かに待ちます。2~3分経過してもまだ意識が戻らない場合は救急受診が必要になります。

多くの失神は病気ではありません。繰り返す場合は普段から規則正しい生活を心がけ、長時間の立位や入浴を避けるようにして体液量を維持するための水分補給、適量の塩分摂取にも留意するようにしてください。