京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅳ-20】人工乳で紅斑とじんましん(膨疹)が出ました

生後4か月の男児。初めて人工乳を飲ませたところ、5~6分して顔に真っ赤な紅斑とじんましんが出て全身に広がり、ぐったりしてきました。食物アレルギーのことについて教えてください。

牛乳アレルギーの可能性があります。相談のように、食べて2時間以内に起きる場合を即時型食物アレルギーといい、皮膚症状だけでなく、咳や呼吸困難、咽頭違和感、消化器症状(悪心、嘔吐、腹痛、下痢など)、全身性のアナフィラキシーショックなどがみられる場合もあります。

乳児期に発症する食物アレルギーの原因は卵、牛乳、小麦で約90%を占めます。乳児に対して食物アレルギー予防のために離乳食開始時期や食物アレルギーの原因食物となりやすい食物の摂取開始を遅らせることは推奨されていません。しかし、早期に小児科専門医(できれば栄養指導のできる栄養士のいる小児アレルギー専門外来)を受診して指示を受けるようにして下さい。

食物アレルギーが疑われる場合は、詳細な問診(食物アレルゲンの摂取と症状誘発との関連)をした後、血液検査(特異的IgE抗体)、皮膚プリックテストに加えて食物経口負荷試験を行い、今後の方針を決定していくことになります。今は食べられない食物があっても、2~3歳になると多くは食べられるようになります。

また、ライフラインの停止を伴う大規模災害では困難な状況に直面する可能性があるため、家庭のアレルギー対応食品の備蓄は最低でも3日分、できれば1週間分程度が望ましいとされています。なお、子どもの食物アレルギーの発症予防のため、妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することは効果が否定されている上に、母親の栄養状態に対して有害であり、推奨されていません。