子どもの病気
【Ⅳ-32】お尻近くのくぼみは大丈夫ですか
4か月女児です。生まれた時からお尻の割れ目の少し上の方にえくぼのようなくぼみがあるのですが、大丈夫ですか。
小さいお子さんのお尻近くにくぼみが見られるのは珍しいことではなく、健康な子どもの約1.5%に認められます。くぼみの多くは単なる皮膚の陥没で、その場合は心配ありません。ただし、くぼみが肛門よりやや上でお尻の割れ目の中にあると存在に気付きにくく、知らない間にくぼみの中に便や尿が入り込んで不潔になったりすることもあるので、注意してください。
一方、くぼみが皮膚の表面だけではなく、深部まで達して背骨(脊椎)や背骨の中を走る神経(脊髄)とつながっている場合は将来うまく歩けない(下肢麻痺)、尿や便が上手にできない(膀胱直腸障害)などの問題が出てくる可能性があり、手術が必要となることもあります。
特に、
- 一見するとくぼみの入り口は非常に小さいけれども髄膜炎や尿路感染症を繰り返したり、しつこい便秘がみられる(先天性皮膚洞)。
- くぼみが発赤したり、くぼみの中から膿や透明な液(髄液)が出ている。
- くぼみの周囲にしこり(脂肪腫)、赤あざ(血管腫)、毛が生えていたりする。
などの場合は脊椎や脊髄との連絡性の有無を確認するために、超音波検査や
MRI検査を行う必要があります。超音波検査は体への負担も少なく、脊椎の骨化が進んでいない乳幼児期は画像解像度も良好です。
いずれにしても、お尻の近くのくぼみに気が付いた場合はまずかかりつけの小児科で相談された方がよいでしょう。