京(みやこ)あんしんこども館からの安心・安全アドバイス

【Ⅳ-34】肘の関節が抜けたようですが、大丈夫でしょうか?

子どもの腕を強く引っ張ったら、急に動かさなくなりました。どうすればいいでしょう?

1~3歳の子どもの前腕(肘から手首まで)を強く引っ張った時、急に腕を動かさなくなることがあります。腕をだらりと下げ、肘の関節を少し曲げた状態で自分から動かそうとはしません。肘の部位を触ると痛がります。これは肘内障の場合が多いようです。前腕には橈骨(親指側)と尺骨(小指側)の2 本の骨があり、これが二の腕の上腕骨に連なって肘の関節を形成しています。肘内障とは腕を引っ張ったことにより肘の関節の部位で橈骨の先が亜脱臼を起こした状態をいいます。

亜脱臼を整復すれば簡単に直すことができ、痛みがとれてすぐ腕を動かすことができます。整復は小児科医でもできますが、やはり専門は整形外科医です。医学書などに治す方法が書いてありますが、ひじの関節の解剖学的な構造を熟知していない者が治そうとすればかえって悪くなることもあります。

一方、骨折の場合もありますので決して素人が行ってはいけません。もし整復後も痛みがとれず、翌日も痛みが続き、肘の関節がはれているような場合は必ず受診しましょう。日頃から子どもの腕は強く引っ張らないように心掛けてください。また、肘内障は一度なると再発を繰り返すこともあります。お子さんが大きくなって、小学校に入る頃には起こらなくなります。